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姉は全ての状況と殆どの能力を失い、地に落ちた。
弟は気が触れ縁者を斬り伏せ、人の道から外れた。

どこからどこまで夢の中かも分からない、僅かな安寧の中、傷を舐め合い這い蹲る。
これは哀れな姉弟のものがたり。
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其(そ)は凶(まが)つ氣(き)織りなす住処より居出て
 
迷いある者の魂を喰らひたり

哀しき其れらを喰らへども

なほ 渇きはとどまらず 

現世は漆の黒ひ闇

穿(うが)つは千の人の業

払うは萬の人の業

ひび割れた大地にたち、てんくうをみあげたら、
 ごうごうと うなるかざおとにまぎれて おとがきこえていた

  ずうっとまえに きいたことが あ る・ったきがする
   ひがしの やつに似てい るんだけ_どあま り 似ても な_i?

  かぜのおと かぜがうずをまいて そらに 空くもをうずをまいて
 まっかなそら に くもがうずを まいていた

おとはうたににて_おれのあたまに そそがれてきた
 ことばがちょくせつ 
  たかい こえ おんなのこえ が
   似て

   似てる 似て_。 る
  お姉の こえに うたう声に すごくにて

おれだけにうたっている のかと 思っていたら、
 しゃべるいわがそらを みていた
  たたきこわした いわのくち が空をみて 同じちょうしでうごいてた
   けんの後ろでこなみじんにした

    でも

   うたっている のはお姉 じゃない
  お姉はここにいる
 あいかわらずないてばかり だけ ど
ねてるときは すごくおだやか
 それにさいきんは お姉からもしてくる

  そらをみあげる おれを すこしふしぎそうに よこで ながめてい る
   きこえてないんだ
    


 それから
  たまにそのうたは 聞こえてく_るように な
った

 いどうして も きこえてくるときがある
  いつもきこえ る わけじゃな い……
   いつもきこえててもいいのだけど
    いつもはきこえない
   
   たまにおんなじようなようすで
  みみをすましている けだもの や 冒険者を みかけた
 真っ赤なてんくうから きこえてくる うたごえ





ほのおの においが するんだ
 お姉よりもっと きょう烈な ほのおの
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