姉は全ての状況と殆どの能力を失い、地に落ちた。
弟は気が触れ縁者を斬り伏せ、人の道から外れた。
どこからどこまで夢の中かも分からない、僅かな安寧の中、傷を舐め合い這い蹲る。
これは哀れな姉弟のものがたり。
弟は気が触れ縁者を斬り伏せ、人の道から外れた。
どこからどこまで夢の中かも分からない、僅かな安寧の中、傷を舐め合い這い蹲る。
これは哀れな姉弟のものがたり。
■ 07/05 04:同胞のよびごえ ■
呼んでいる。
南の方から おれを呼ぶ声が。
ひどく痛みと熱を、そして怨念をともなった声。
その声は天地を介すように おれのもとへととどいた
南の方から おれを呼ぶ声が。
ひどく痛みと熱を、そして怨念をともなった声。
その声は天地を介すように おれのもとへととどいた
たとえるなら それは赤黒いけもの。
声の主が内に飼っている、赤黒いけもの。
マグマを呼吸し、瘴気に染まる、赤黒いけもの。
おれもだ
おれのなかにも 赤黒いけものがいる。
くろぐろと燃える、あか_ぐろ_い ―――
はやく来い
おれを斬りに
この感覚、アルグリフの輩以外に考えられん
かはッ は、はははは、ははははははははははははははは_
たのしい なんてたのしいたのしいたのしいいのちを削る俺たちの剣のおと
ひゅうッ ひゅう、ひゅう
歯のすきまから 歓喜の呼気がもれていた
うみどりが あくまのうたをうたっている
木々がとおくでうたうような声は いのちあるものすべてにしねしねと_-
てっかいで たたきおられた骨は 肉にささってどくどくとしおからい血を吹き出せる_。
まっかな
朱色の
朱
朱
お姉
お姉は
おかしいな お姉は
おれと同い年だから もっと大人びた外見の
はず あれ
あれ……
そういえばいつから 塵になったり 髪が燃えるように揺らいだり
あれ
お姉はふつうの人間で ひとで にんげんで
こんなバケモノみたいな
でも。
でも_そうだ
化け物なはずがないだってあんなにやさしくてやわらかい化け物が
いやばけものだっていいじゃないか
樹に寄りかかってすわっているおれの うでのなかで
お姉は ねこみたいに まるくなってねむっている
さっきまで泣いていたけど 疲れたらしい
かわいい
かわいい
化け物だっていい
クルツ
おまえに は ぜったいに 渡さない
さっきから 向こうの木陰に おれを見ているやつがいる
おんなだ
小柄でボリュームのある薄紅色の かみの おんな。
整っているけれども 悲しそうなかお
だれだ・
人斬りならようしゃはしない。
睨み付けると、そいつは もっとかなしそうな なきそうなかおで
霧のようにかき消えた
だれ だ……?
声の主が内に飼っている、赤黒いけもの。
マグマを呼吸し、瘴気に染まる、赤黒いけもの。
おれもだ
おれのなかにも 赤黒いけものがいる。
くろぐろと燃える、あか_ぐろ_い ―――
はやく来い
おれを斬りに
この感覚、アルグリフの輩以外に考えられん
かはッ は、はははは、ははははははははははははははは_
たのしい なんてたのしいたのしいたのしいいのちを削る俺たちの剣のおと
ひゅうッ ひゅう、ひゅう
歯のすきまから 歓喜の呼気がもれていた
うみどりが あくまのうたをうたっている
木々がとおくでうたうような声は いのちあるものすべてにしねしねと_-
てっかいで たたきおられた骨は 肉にささってどくどくとしおからい血を吹き出せる_。
まっかな
朱色の
朱
朱
お姉
お姉は
おかしいな お姉は
おれと同い年だから もっと大人びた外見の
はず あれ
あれ……
そういえばいつから 塵になったり 髪が燃えるように揺らいだり
あれ
お姉はふつうの人間で ひとで にんげんで
こんなバケモノみたいな
でも。
でも_そうだ
化け物なはずがないだってあんなにやさしくてやわらかい化け物が
いやばけものだっていいじゃないか
樹に寄りかかってすわっているおれの うでのなかで
お姉は ねこみたいに まるくなってねむっている
さっきまで泣いていたけど 疲れたらしい
かわいい
かわいい
化け物だっていい
クルツ
おまえに は ぜったいに 渡さない
さっきから 向こうの木陰に おれを見ているやつがいる
おんなだ
小柄でボリュームのある薄紅色の かみの おんな。
整っているけれども 悲しそうなかお
だれだ・
人斬りならようしゃはしない。
睨み付けると、そいつは もっとかなしそうな なきそうなかおで
霧のようにかき消えた
だれ だ……?
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